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一般財団法人設立

1.一般財団法人とは

一般財団法人は、法人として認められた「財産の集まり」です。

特徴としては、<1>許認可がいらない、<2>利益の分配はできない、<3>評議員会が監督する、<4>目的に制限はない、の4つです。

 

<1>許認可がいらない

行政官庁から許可や認可、認定を受けることなく設立することができます。

定款認証と設立登記だけですから、手続きが簡単で時間もかかりません。

 

<2>利益の分配はできない

一般財団法人と聞くと、利益をあげてはいけないようなイメージがあるかも知れませんが、利益をあげても構いません。

ただし、利益を構成員で分けることはできません。利益は法人の運営費に充てられることになります。

 

<3>評議員会が監督する

一般財団法人は理事会が運営しますが、その運営が設立目的に沿っているかを監督するのが評議員会です。

評議員は評議員会を開催し、法と定款に決められた事柄について決定します。

また、評議員は理事の解任の訴えを提起したり、理事の責任免除に対して同意したりと、理事の任務遂行に対する監督を行います。

 

<4>目的に制限はない

事業目的は公益目的である必要はありません。

収益事業や共益事業など、自由に活動することができます。

 

2.一般財団法人設立のメリット、デメリット

一般財団法人のメリット、デメリットを

<1>個人事業との比較、<2>株式会社との比較、<3>一般社団法人との比較 の3点から考えてみましょう。

 

<1>個人事業との比較

一般財団法人 個人事業
責 任 有限責任 無限責任
信用力 高い 低い
節税のしやすさ しやすい しにくい
帳簿管理のしやすさ 面 倒 しやすい
法人登記の要否 必 要 不 要
決算の公告 必 要 不 要

 

メリット

ⅰ自分の財産を守ることができる

一般財団法人では、財産の提供であって、出資とは違います。したがって、利益の分配は受けられませんが、法人の債務についても責任を負いません。

(法人の理事になっていた場合には、法人運営に問題があれば、損害賠償責任を追及されることはあります)

一方、個人事業の場合、事業資金を借りたら全ての責任が個人にかかってきます(無限責任です)。

したがって、事業がうまくいかなくなって返済を迫られた場合、個人の財産を処分してでも返済しなければならないのです。

 

ⅱ信用力が増す

個人ではなく法人名義で事業を行うことができるようになりますし、「財団法人」というネーミングが公共性を感じさせますので、イメージが良くなります。

○社会的な信用度が増す

○融資を受けやすくなる

○ある程度規模の大きい会社と関係をもてる

○助成金をもらえる可能性が高くなる

 

ⅲ節税しやすい

一般財団法人が収益事業を行う場合、税金については株式会社と同様にかかります。

ですが、一般財団法人のうち非営利性の高い法人については、収益事業に該当しない事業には課税されません。

 

ⅳ自分の意思をついでもらえる

自分に万が一のことがあり、活動を続けられなくなったとしても、法人であれば後継者が意思をついで活動を続けてくれます。個人名義の財産等はないので、引継ぎがスムーズに行えます。

 

デメリット

ⅰ帳簿をつけるのが面倒になる

法人として活動するためには、帳簿をきちんとつけなければなりません。

帳簿をつけるのには決まったルールがあり、自分が内容を分かっていれば良い、というわけにはいかなくなります。

とはいえ、税理士さんを頼むと毎月顧問料が掛かってしまいます。

ただ、さまざまな市販の会計ソフトがありますから、これらを利用する方法もあります。

 

※一般社団法人は、制度上、設立当初は銀行(保証協会付)からお金を借りることができませんので、この点も注意が必要です。

(日本政策金融公庫は、一般社団法人も融資対象になります)

 

ⅱ維持費がかかるようになる

個人事業にはない、さまざまな負担が発生します。

○赤字でも法人住民税を支払う(年7万円ほど)

○雇用関係を結ぶ職員が1人もいない場合でも、社会保険に加入するので、保険料の負担が発生する

○自分で帳簿つけや決算が出来ない場合、税理士への報酬が必要となる

○2事業年度に一度、役員変更登記をしなければならない

○主たる事務所を移転するなどの変更がある場合、変更登記をしなければならない

○契約を法人契約に変更することにより、基本料金が増額されたり、個人の支払いと二重払いとなることがあるさらに、宮城県の場合、設立後3年間は、制度融資が受けられない(日本政策金融公庫のみ可)というデメリットがあります。

これらのメリット、デメリットを比較の上、一般財団法人と個人事業のどちらが適合するか判断してください

 

<2>株式会社との比較

一般財団法人 株式会社
出資者の人数 1人で可 1人で可
役員の人数 理事3人以上 取締役1人以上
資本金の額 300万円以上 1円から可
事業の目的 公共性がなくてもよい。
利益が出てもいいし、
役員報酬や従業員の給料
を支払うことも可。
自由
収益への課税 あり=株式会社と同じ
(ただし、非営利性の
高い法人は非課税)
あり
剰余金の分配 不可
設立にかかる費用 112,000円
内 訳
定款認証代 50,000円
定款謄本代 2,000円
定款に貼る印紙代 0円
登録免許税 60,000円
242,000円
内 訳
定款認証代 50,000円
定款謄本代  2,000円
定款に貼る印紙代 40,000円
登録免許税 150,000円

※電子定款にすれば、株式会社も印紙代は0円となります。

大きな違いは設立にかかる費用と財産の分配にあります。

設立にかかる費用は、一般財団法人の方が安いです。印紙代と登録免許税が大きく違うのです。

一方、利益が出た場合、株式会社であれば株主への配当が可能ですが、一般財団法人は社員(出資者)へ利益の分配をすることができません。

一般財団法人は収益を上げることが目的ではないからです。

以上より、商売をやっていくなら株式会社を選ぶべきであり、グループの財産を管理していくための法人化なら一般財団法人が向いていると言えるでしょう。

 

<3>一般社団法人との比較

一般法人には、一般財団法人と一般社団法人があります。

一般財団法人と一般社団法人について、違いを比較してみましょう。

 

一般財団法人 一般社団法人
出資者(社員) 1人で可 2人以上
資本の額 300万円以上 制限なし(0円でも可)
資金の集め方 会費、寄付 社員が経費負担
役 員 理事3人以上
評議員3人以上
監事1人以上
理事1人以上
評議員不要
監事任意
特 徴 純資産額が2年連続で
300万円を下回ると
解散しなければいけない
基金を募集できる

※基金…出資財産であり、法人には返還義務があります。なお、使途は法人が自由に決められます。

 

奨学金の付与や研究資金の貸与など、財産を活用することが目的の団体であれば、財産をしっかり管理する必要がありますので、一般財団法人が向いています。

そうでなければ一般社団法人の方が規制が厳しくないので設立しやすいと言えます。

 

3.「非営利型」と「共益活動型」

一般財団法人でも、得た所得に対し税金がかかります。

株式会社と何ら変わりはありません。ですが、非営利性の高い法人、「非営利型一般財団法人」と「共益活動型一般財団法人」になると、得られた寄付金や会費については税金がかからなくなります。

 

<1>非営利型一般財団法人

非営利性が徹底されている一般財団法人です。収益をあげても構成員で分配しないことはもちろん、収益をあげる活動が主目的ではないこと、理事に3親等内の親族が3分の1以上いないこと、という要件があります。

そして、ここが一番のポイントですが、解散した時に残余財産を国、地方公共団体、公益社団法人などへ与えるという定款の定めがあることが必要なのです。

 

<2>共益活動型一般財団法人

同窓会や業界団体など、会員から会費を集め、会員の利益を図る活動を行う一般財団法人です。

非営利型一般財団法人の要件に加え、会員の利益を図る活動を行うこと、会費などの会員が負担する金銭について定款に定めること、という要件があります。

解散した時に残余財産を国、地方公共団体、公益社団法人などへ与えるという定款の定めが必要であることは同じです。

どちらも認定を受ける必要はありませんので、設立手続きは普通の一般財団法人と変わりません。

「非営利型一般財団法人」「共益活動型一般財団法人」の設立要件について詳しく知りたい方は、ぜひ当事務所までお問い合わせください。

 

4.公益認定を受ける

一般財団法人は法務局で登記をすれば設立できます。

ですが、公益を目的とする活動のみをする法人であれば、設立登記後に「公益認定」を受けて、「公益財団法人」になることをお勧めします。

「公益財団法人」とは、国と都道府県から公益認定を受けた財団法人で、一般財団法人に比べて大幅に税金が優遇されます。

ただし、その認定を受けるのは簡単ではありません。

公益性が徹底され、収益事業が公益事業の50%を超えないことが求められます。

また、公益事業を行うだけの経理体制や技術の備わった組織であること、理事などの報酬が一般企業の役員報酬に比べて不当に高くならないように基準が定められていること、社員になるための条件が不当でないこと、などの要件があります。

さらに、設立後も報告が義務づけられたり、立ち入り検査があったりと、行政庁の監督を受けることになります。

詳しい要件を知りたい、どんな手続きが必要か知りたい、という方はお気軽に当事務所にご相談ください。

 

5.一般財団法人設立の要件

一般財団法人を設立するための要件は、以下の5点です。

<1>財産が300万円以上必要

<2>理事3人以上、監事1人以上の選任が必要

<3>評議員3人以上を選任し、評議員会を設置する

<4>定款を作成し、定款認証を受ける

<5>法務局で登記申請をする

この中で重要なのは、定款認証です。

一般財団法人・非営利型一般財団法人・共益活動型一般財団法人・公益財団法人のそれぞれに、定款に載せることが必要な規定が決まっているからです。

せっかく手続きを進めたのに定款がきっちりできていなかったため設立できなかった、税金の優遇を受けられなかった、ということのない様に、しっかり定款を作りましょう。

 

6.設立の流れ

一般財団法人設立をお考えなら、ぜひ当事務所にご相談ください。

当事務所では仙台市内をはじめ、宮城県内の法人設立を代行しております。

法人設立完了までの流れをご紹介します。

 

<1>当事務所にて打ち合わせ

面談、メール、電話等にてお客様との打ち合わせを実施します。

お勤めの方は、夜でも、土日でも、打ち合わせ可能です。

法人名、所在地、事業目的、理事、社員などを決めていきます。

 

<2>当事務所報酬額のお支払

正式にご依頼をいただいたら、当事務所報酬額のお支払いをお願いいたします。

お支払いを受けてのち、定款および委任状の作成にかかります。

 

<3>公証役場での定款認証手続きを代行

定款と委任状にご捺印いただきましたら、当事務所にて公証人の認証手続きを実施します。

当事務所の場合、宮城県内すべて対応可能な仙台合同公証人役場にて行います。

 

<4>お客様にて資本金の振込

金融機関に出資金(資本金)の払い込みをします。

 

<5>その他付属書類への押印

議事録や委任状など、法人設立登記に必要な書類にご捺印いただきます。

この時までに法人の実印をご用意ください。

 

<6>法務局への登記

提携司法書士が仙台法務局へ登記申請をいたします。

登記申請日が法人設立日となります。

 

<7>一般財団法人設立

設立時期・混み具合によって変わりますが、法務局に登記申請をしてから約1週間ほどで完了します。

 

<8>設立後の手続きをご説明

税務署や労働基準監督署など、さまざまな役所への手続きが必要となります。

これらを丁寧にご説明いたします。行政書士では代行できない分野のため、代行をご希望の場合は提携の税理士・社会保険労務士をご紹介いたします。

 

7.設立費用

 

手続き内容 費 用
 定款認証(公証人手数料) 50,000円
 定款認証 謄本代 2,000円
 収入印紙(定款貼付) 不要
 登録免許税(法務局) 60,000円
 当事務所への報酬 150,000円※
合  計 262,000円~

※ 履歴事項証明、印鑑証明は必要部数の実費精算をお願いしております。

設立費用は、非営利型や組織の規模により異なりますので、まずはご相談ください。

法人設立後の運営や助成金の申請についてのご相談も承っております。

 

税理士、社会保険労務士、司法書士、弁護士と提携し、ワンストップサービスで対応させていただきます。

ぜひ、お気軽にお問い合わせください!

対応地域

宮城県全域:仙台市,石巻市,塩竈市,気仙沼市,白石市,名取市,角田市,多賀城市,岩沼市,登米市,栗原市,東松島市,大崎市,蔵王町,七ヶ宿町,大河原町,村田町,柴田町,川崎町,丸森町,亘理町,山元町,松島町,七ヶ浜町,利府町,大和町,大郷町,富谷町,大衡村,色麻町,加美町,涌谷町,美里町,女川町,南三陸町

お客様が仙台までお越しいただかなくても宮城県内であれば出張も可能ですので、仙台市外のお客様も安心してご相談ください。

お問い合わせ・ご相談・ご予約お待ちしております。